舞城王太郎監督『ハンマーヘッド』感想
さて師走の時期でみなさま忙しいと思われますがアニメーター見本市の感想を書いていきたいと思います。
今回、ご紹介するアニメは舞城王太郎監督『ハンマーヘッド』。
太郎という有り触れた名前に『王』が付くギャップに驚きますね。
じつはアニメ監督ではなく小説家です。
いまでしたら画力が神クラスの大暮維人先生と組んで「バイオーグ・トリニティ」の原作をされてます。不思議な世界観の漫画です。
このアニメでは原案・脚本・監督を担当されてます。
まぁ小説は文字メインで、アニメは動きと声がメインですから畑違いです。
なのでアニメ監督として前田真宏さんがやってます。岩窟王の漫画家でもあります。
では見ていきましょう!
「どうしてこの世界には苦痛や争いが満ちてるの?」
ハンマーヘッドは正義の味方に見えますが秩序とか平和はどうでもいいようです。
結局は死に場所を求め、希望など微塵もなく、ただ破壊衝動に従って戦うだけ。
爆発盛りだくさんのかっこいいアクションシーンです!
分かりやすいロングからの全身の動きと迫力のあるアップが良い感じです。
「良かったねお父さん。」
戦いの果てに娘の前で力尽きようとしてます。
常人ならすでに死を待つのみ、しかし底なしの再生能力が彼を生かし続けます。
肉片と化しても生きようとする父の姿。
「ああああ!」
バーサーカーな一面もありますが、窮地を何度も救ってくれた一面もあったようです。
いまになって父の優しさに触れた娘が涙します。あふれる雨のような涙。
世界を救うヒーローとして科学者がハンマーヘッドを蘇らせます!
武器として兵器として再び世界を守らせるために。
「意味はある。」
たった一言、それが戦場に向かうハンマーヘッドのセリフです。
さて舞城王太郎さんの作品は「バイオーグ・トリニティ」の漫画しか見てなかったのですが
印象がガラリと違いますね。
正直、漫画のほうは不思議なやや気味悪い要素のある話で読むのをリタイアしたのですが
ハンマーヘッドの作品は感情豊かで好感が持てました。面白いです。
見方によっては父としての優しさで娘を助けるために世界を救う意味を見出したのか。
または死ぬために戦うことから、戦うこと自体が目的になったのか意見が割れそうですね。
最後のハンマーヘッドの目に宿ったのは父性愛か、ヒーローとしての自覚か。
どちらなんでしょう。
↓下からリンクで動画に飛べます。
アニメーター見本市ハンマーヘッド